口呼吸を改善する正しい鼻うがいの方法と注意点を紹介
口呼吸が体調不良を引き起こす原因であることはご存知でしょうか?
人は、鼻呼吸をすることで健康な体を保っています。しかし、口呼吸が続くと体にさまざまな不調が出はじめ、生活に支障をきたすことがあります。
口呼吸による体への影響は大きいため、早急に改善することがとても大切です。
口呼吸は風邪を引きやすくなるというイメージがありますが、それだけではなく、肌へのダメージやシワの原因となりかねないので、美容に敏感な方はとくに直すべき習慣といえます。
そんな口呼吸の改善方法としておすすめなのが『鼻うがい』です。
正しい鼻うがいの方法を身につけて習慣づけることで、口呼吸をすぐに改善できます。
本記事では、口呼吸になる原因と改善する必要性、口呼吸を改善する正しい鼻うがいの方法と5つの注意点をご紹介します。
口呼吸を改善したい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
口呼吸になる原因と改善する必要性
まずは、口呼吸になる原因と、口呼吸を改善する必要性について知っておきましょう。
口呼吸が続くことによって、どのような支障をきたすのか理解することで改善する必要性がより強く感じられます。
ここでは、口呼吸になる原因と、口呼吸を改善する必要性ついてご紹介します。
口呼吸になる原因
口呼吸になる主な原因は「鼻づまり」です。鼻づまりが起こると空気の通り道が塞がれるため、鼻呼吸がしにくくなります。
では、鼻づまりが起こっているときの鼻の中はどのような状態かご存知ですか?
多くの方は頑固な鼻水がつまっていると考えるかもしれませんが、実は鼻の粘膜が腫れることで鼻づまりが起こるのです。
鼻の粘膜には多くの毛細血管が通っており、これらが拡張と収縮を繰り返すことで、鼻の通りが良くなったり、悪くなったりします。
鼻の粘膜が腫れる原因は、細菌やウイルスといった病原菌に感染したり、埃や花粉によってアレルギー反応を起こしたりとさまざまです。
これらの病原菌や異物は空気中を常に浮遊しており、鼻で空気を吸い込むことで一緒に鼻の中に侵入します。
鼻の中に侵入した病原菌や異物を放置すると鼻づまりが引き起こされ口呼吸になるので、鼻うがいで鼻の中をきれいにすることが大切なのです。
口呼吸を改善する必要性
口呼吸は、さまざまな弊害があることが判明しています。
では、口呼吸が続くと体にどのような弊害があるのかご説明します。
口で呼吸をすると空気をそのまま肺に取り込みますが、同時に病原体や異物も体の中に取り込んでしまうため、病気やアレルギーなどが発症しやすくなります。
単に軽い風邪くらいであればよいのですが、口呼吸はさまざまな支障をきたすことが判明しており、次のような病気や症状を発症します。
- インフルエンザや新型コロナウイルス感染症
- 口臭
- 虫歯や歯周病
- 咀嚼機能の低下
- ドライマウス
- いびき
- 睡眠時無呼吸症候群
- 口輪筋の緩み
口呼吸をすることで口の中が乾燥しやすくなるため、虫歯や歯周病といった症状が引き起こされます。
咀嚼機能の低下とは、いわゆる歯並びや噛み合わせが悪くなることです。
口呼吸が続くと口周りの筋力の発達や、舌の機能障害が生じて顎の成長が抑制されます。
とくに成長期である子どもは鼻づまりが起こりやすいため口呼吸になりやすく、この状態が長く続くことで丈夫な顎に成長しない可能性が高くなります。
子どもは鼻づまりが起こっていたとしても気にせず放置してしまうことがあるので、親は子どもの様子を注意深く観察することがとても重要です。
さらに、口呼吸は老化の原因になるともいわれています。口呼吸の場合、口輪筋(口周りの筋力)が緩んでいる状態です。
口輪筋が緩んでいる状態が続けば、周囲の表情筋も次第に緩くなり、皮膚の締まりがなくなってきます。
口呼吸は、目元や口元のシワを作る原因となるので、美容への影響も少なからず関係してきます。
人によっては口呼吸が続くことによって手足の皮膚が荒れたり、アトピーが出はじめたりするので、早急に鼻呼吸に改善しましょう。
正しい鼻うがいの方法と5つの注意点
正しい鼻うがいを行うことで、鼻づまりを引き起こす原因となっている病原体や異物を取り除くことができます。
また、正しく洗浄を行わないことで鼻の粘膜を傷つけたり、中耳炎を引き起こしたりするので、きちんと把握しておくことが大切です。
ここでは、正しい鼻うがいの方法と鼻うがいを行う際の5つの注意点をご紹介します。
正しい鼻うがいの方法
一般的に鼻うがいは、「痛そう」「苦しそう」といったイメージがありますが、実際に間違った方法で鼻の洗浄を行うとツンとした痛みがあります。
痛みなく効果的な鼻うがいをするためには、「準備するもの」と「鼻うがいの手順」を理解する必要があります。
準備するもの
痛みを感じることなく、効果的な鼻うがいをするために必要なものは3つだけです。
- 鼻うがい用の洗浄器具
- 塩が添加された洗浄液
- 200〜300ccのぬるま湯
上記の3つがあるだけで、鼻の中に侵入した病原菌や異物を除去できます。
洗浄器具が必要な理由は、圧力をかけてスムーズな洗浄を行うためです。
洗浄器具を使うと、適度な力加減で洗浄液を鼻の中に流し込めるので、鼻うがいを行う上でのマストアイテムといえるでしょう。
そして、鼻が痛くならないために最も大切なものが「塩が添加された洗浄液」です。
真水を使って鼻うがいを行うと、必ず鼻の中が痛くなります。何故、痛くなるのかというと浸透圧の違いがあるからです。
人の体液には塩分が含まれています。鼻の中に水が入り込むと、塩分濃度の違いによって痛みが生じるわけです。
そのため、真水に塩を入れて体液に近い塩分濃度にすることで、痛みのない鼻うがいできるようになります。
市販されている洗浄液のもとであれば、ぬるま湯をに溶かすだけで簡単に体液に近い塩分濃度の洗浄液を作ることができるので、すぐに鼻うがいができます。
口呼吸の改善には、まずは市販の洗浄器具と洗浄液のもとを準備して鼻うがいを行ってみましょう。
鼻うがいの手順
慣れていない最初のうちは、お風呂で鼻うがいを行うとよいでしょう。濡れても気にすることがなく、体も温まって鼻の通りがよくなります。
実際に鼻うがいを行う手順は、次のとおりです。
- 200〜300ccのぬるま湯に洗浄液のもとを入れて溶かす
- 洗浄液を洗浄器具の中に移して先端を鼻に差し込む
- 少し前傾姿勢になり顔を斜め下に傾ける
- 「あー」と声を出しながらボトルに力を加えて洗浄液を流し込む
- 数回繰り返し洗浄液を流し込む
- 反対の鼻からも同じように洗浄液を流し込む
はじめは鼻の中に液体が入ってくる違和感から、すぐにボトルを鼻から外したり、うまく流し込めなかったりしますが、数回繰り返すだけで上手に洗浄できるようになります。
洗浄器具に力を加えすぎると洗浄液の圧力が強くなりすぎて痛くなることがあるので、適度な力加減で流し込んで病原菌や異物を洗い流しましょう。
鼻うがいを行う際の注意点
ここからは、鼻うがいで注意すべき点をご紹介します。
洗浄中は顔を上に向けない
洗浄中に顔を上に向けると中耳炎になる恐れがあります。
顔を上に向けると洗浄液が耳に流れ込んでしまうため、注意が必要です。
先述したとおり、前傾姿勢になって顔を斜め下に傾けながら鼻うがいを行いましょう。
洗浄中は唾を飲み込まない
洗浄液を流し込んでいる最中に、唾を飲み込むと洗浄液が耳に入り込み中耳炎になる恐れがあります。
唾を飲み込まないようにするために、声を出しながら洗浄液を流し込むことが重要です。
「あー」と声を出しながら洗浄液を流し込むようにしましょう。
鼻うがいが終えた後に鼻を強くかまない
鼻うがいを終えて、鼻を噛むことも注意点の一つです。
鼻うがいをした後に強く鼻をかんでしまうと、中耳炎を引き起こしてしまう恐れがあります。
洗浄液が鼻の中に若干残っていることがあるため、鼻をかんで取り除こうとしますが、強くかみすぎると洗浄液が耳に入り込んでしまうことがあるので注意が必要です。
鼻うがいが終えた後は、やさしく鼻をかむように心がけましょう。
鼻うがいの回数を増やしすぎない
実際に鼻うがいを行ってみると痛みや苦しさよりも、爽快さや気持ちよさを感じるでしょう。
そのため、何度でも鼻うがいをしたくなる気持ちになりますが、過度な洗浄は鼻の中の粘膜を傷つける可能性があります。
1日に行う鼻うがいの適度な回数は2回程度で、おすすめのタイミングは就寝前と起床後です。
鼻うがいの回数を増やしすぎると、かえって逆効果になるので、鼻の洗浄は1日に2回程度にしましょう。
まとめ
本記事では、口呼吸になる原因と改善する必要性、正しい鼻うがいの方法と注意点についてご紹介しましたが、参考になりましたか?
口呼吸が続くと軽い風邪を引くだけではなく、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの病原菌を体に取り込んでしまう可能性が非常に高くなります。
さらに、虫歯や老化の原因になるので早急に口呼吸を改善しなければなりません。
今回ご紹介した鼻うがいは、気軽に生活に取り込めるセルフケアです。口呼吸の改善だけではなく、さまざまな病気のセルフケアとして鼻うがいは知られています。
市販されている洗浄器具と洗浄液のもとを準備するだけで口呼吸を改善できますので、ぜひ試してみてください。