日常生活に影響を及ぼす後鼻漏を鼻うがいで緩和するための5つのコツ
慢性的な鼻水に悩む方は多くいらっしゃいますが、1日に鼻や副鼻腔で作り出される鼻水の量はどれ位かご存知ですか?
1日に作り出される鼻水の量は、約2リットルから4リットルと言われています。
後鼻漏による不快感やストレスは大きいもので、睡眠や食事など日常生活にも影響を及ぼすほど重症になってしまう可能性もあるので、早めに対処していくことが大切です。
この記事では後鼻漏の症状と原因、後鼻漏に効果的な鼻うがいのやり方と5つのコツについてご紹介していきます。
後鼻漏に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
後鼻漏の症状と原因
健康な人でも鼻水は鼻の後方から喉に流れ落ち、本人が気付かないうちに飲み込んでいるため、後鼻漏があること自体は病気ではありません。
後鼻漏は、健康な方でも日常的に起きている生理的な現象です。しかし、放っておくことで悪化したり、個人の体質によって過剰に鼻水が分泌される恐れもあります。安易に考えず、早めに対処していきましょう。
まず始めに後鼻漏の症状と原因について詳しくご説明していきます。
後鼻漏の生活上の弊害
後鼻漏は、鼻の中にたまった鼻水が喉の方へ絶えず流れ落ちる症状です。
鼻水が喉を流れ落ちる不快感は鼻をかんでもなかなか解消されず慢性的に喉に流れ落ちるため、鼻水を飲み込むか口から吐き出し続けるしかありません。
後鼻漏が重症化していくと日常生活を送る上で大切な食事や睡眠時にも影響があり、他にも以下のような多くの弊害がみられます。
- 咳払いや咳込み
- 痰がからむ
- 痰の吐き出し
- ノドの違和感
- 異物感や詰まり感
- 睡眠障害
- イビキ
鼻水がサラサラな時は後鼻漏はあまり気になりませんが、鼻水の分泌量が増えた時や粘着性のある鼻水だと異物間や詰まり感による不快感を伴い、鼻だけでなく喉の粘膜も痛み始め炎症を起こしてしまいます。
睡眠中でも常に鼻水は作り出されるため、仰向けに寝ている状態だと喉に鼻水が流れやすく痰が詰まったような違和感があります。また、喉に溜まった鼻水は粘り気を増し、いびきや睡眠不足などの症状も生じるため、私生活にも悪い影響を与えます。
日頃から症状を緩和する鼻うがいなどを行い、ストレスのない生活を送れるようにしていきましょう。
後鼻漏の原因となる疾患
後鼻漏は健康な状態でも自然と起きる生理現象ですが、後鼻漏が生じる背景には以下のような疾患が考えられます。
- 副鼻腔炎
- 上咽頭炎
- アレルギー性鼻炎
- 慢性鼻炎
特に、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による影響で、痰や口臭の原因になるだけでなく、喉や気管を刺激して咳の原因になることもあります。
後鼻漏治療の基本は鼻水と鼻汁を軽減させることです。慢性化して治りにくい場合は、鼻うがいが効果的。鼻うがいをすることで、上咽頭から喉に付着した粘着質のある鼻水や汚れをキレイに洗い流すことができます。
後鼻漏が原因で喉に痛みや不快感を感じることが多いですが、あくまで鼻に原因があるので、喉の治療を行うことよりも優先して鼻の治療をすることが大切です。
鼻うがいするときの5つのコツ
鼻の中を綺麗に洗い流すことができる鼻うがい。
鼻をかんでも出にくい鼻水や花粉、ハウスダストなどのアレルギー物質や異物を取り除くことを目的に行われますが、後鼻漏をスッキリさせストレスを軽減させる効果もあるため、毎日の日課として取り入れていきたいセルフケアです。
鼻うがいには、市販で販売している鼻洗浄器もあれば、自宅にあるもので行う方法もあるため、自分に合った効果的な鼻うがいの方法を取り入れていきましょう。
ここからは、後鼻漏に効果的な鼻うがいをするときのコツをご紹介します。
自分にあった鼻洗浄器を選ぶ
鼻うがいをする際には、市販の鼻うがいの洗浄器と洗浄液のもとを使うことで、すぐに鼻の中をキレイに洗い流すことができます。自分で生理食塩水を作る手間も省けるため、市販で販売しているものを活用するのがおすすめです。
- 鼻に直接注入するハンディタイプ
- 水圧を調節できるピストンタイプ
- 高い水圧で洗浄出来る電動タイプ
- 噴霧量を調整できるスプレータイプ
大きく分類すると、上記の4種類があります。
水圧や使用感などは異なるので、自分に合った鼻洗浄器を選び、気持ちよく鼻うがいできるものを見つけてケアしていきましょう。
自宅にあるものを活用して鼻うがいをする
真水を使って鼻うがいをすると鼻の中がツーンとした痛みがありますが、なぜ痛みがあるのかというと体液と水の浸透圧が違うことが原因です。
痛みのない洗浄水は、ご自宅にある塩と水道水だけでも鼻うがい用として簡単に準備することができます。
以下の手順で、鼻うがい用の洗浄水を作ります。
- 一度沸騰させたお湯を、32度くらいの人肌に近い温度まで冷ます
- 200〜300ccのぬるま湯に対して、0.45gの食塩を入れて溶かす
食塩水を0.9%にすることで体液に近い塩分濃度になり、痛みの少ない洗浄水を作れます。水道水を使用するときは雑菌がある可能性が高いため、一度しっかりと沸騰させる必要があります。
食塩水は使い回しはせずに、鼻うがいをするたび作り直すようにしましょう。自宅で誰でも簡単に作ることができるため、すぐにでも鼻うがいを始めたい方にはとてもおすすめです。
鼻うがい洗浄器以外での鼻うがいの方法
鼻うがいは専用の洗浄器を使用しなくても、洗面器やコップから鼻に食塩水を流し込むことで洗浄することも可能です。
まだ鼻うがいに慣れていない方は、衣服が濡れる心配もなく、しっかりと鼻の中を洗い流すことができるためお風呂で鼻うがいをすることがおすすめです。入浴していることで鼻の中も温まり鼻水もサラサラな状態になるため、スムーズに流れ落ちすっきりと爽やかになります。
洗面器やコップを使用して鼻うがいをする際に、洗浄液を吸い込んでしまうと、痛みの原因にもなりますので流し込むようにして鼻うがいを行いましょう。
慣れていないとやり難さや痛みを感じるかもしれませんが、市販の洗浄液のもとと洗浄器具を使用するとスムーズに鼻うがいできるのでおすすめです。
鼻うがいするときに気をつけるポイント
洗浄液を鼻に流し込む際に、注意するポイントがいくつかあります。
間違ったやり方で鼻うがいをしてしまうと中耳炎など違った症状を発症してしまう可能性があるため、鼻うがいをする際は、上を向かない・唾を飲み込まない・鼻を強くかまないことを意識して行うようにしましょう。
また、鼻うがいを行う際は、下記のような細かいポイントに注意していくことで痛みや中耳炎等、後鼻漏以外の症状に悩まされるリスクを軽減できます。
- 鼻うがい最中に顔を上に向ける
- 鼻うがい中に唾を飲み込む
- 洗浄液を取り除くために、強く鼻をかむ
鼻うがいするときは、上記のポイントに気をつけながら、顔を下に向けたり、体を前屈にした状態で鼻うがいを行いましょう。
また、1日に必要な鼻うがいの回数は2回程度です。何回も鼻うがいをしてしまうことで鼻の中の粘膜が痛んでしまうため、朝と夜だけでもしっかりと鼻の中に溜まった鼻水を洗い流すことができます。
スプレータイプを活用する
鼻の中にノズルなどで洗浄液を流し込むことが苦手な方には、「スプレータイプ」が気軽に始められるのでおすすめです。
通常の鼻うがいと少し異なりますが、下記の手順で気軽に使用することができます。
- 鼻にスプレーをさす
- おじぎするように頭を下げ、約20秒ほど待つ
- 優しく鼻をかんで、鼻の中の液体を出す
上記のように、頭のてっぺんを床に向けるようにおじぎすることで、鼻腔の粘膜全体に洗浄液を浸透させることができます。
スプレータイプの鼻うがいの頻度も1日2回ぐらいがおすすめです。
まとめ
後鼻漏の症状と原因、効果的な鼻うがいのコツについてご紹介しましたが参考になりましたでしょうか?
鼻うがいをすることで、鼻腔や咽頭の中に溜まった頑固な鼻水を洗い流すことができます。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などで辛い日々を過ごしている方にとっても、鼻うがいで症状を和らげることができ、後鼻漏も解消できるのでおすすめです。
ぜひご自宅で簡単にできる鼻うがいを活用し、セルフケアを行ってみましょう。