後鼻漏の治し方の紹介!不快感をもたらす5つの原因と家庭で出来る治療法
喉に異常な量の鼻水が流れる後鼻漏。
健康な方でも普段から当たり前のように鼻水が喉に流れているため、あまり意識することはありませんが、風邪や鼻炎などなんらかの原因で鼻水が多く出ると「喉に痰がからんで気分が悪い」「鼻水を頻繁に吐き出す」など不調や不快感を抱く後鼻漏を引き起こすことがあります。
発症すると大量に喉に鼻水が流れ込むため、どうにかしたい、と後鼻漏の治し方をお探しの人も多いのではないでしょうか。
不快な後鼻漏を治すためには、病院での適切な治療に合わせて、家庭で出来る治療法を生活に取り入れていくことがとても大切です。
この記事では、後鼻漏のセルフチェックリスト、不快感のある後鼻漏を引き起こす5つの原因と治療法、そして家庭で出来る後鼻漏の治療法についてご紹介します。
後鼻漏の治し方を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
後鼻漏とは?
まずは、後鼻漏の症状についてご紹介します。
鼻や喉に不快感を抱いている人は、後鼻漏のセルフチェックリストで確認してみてください。
後鼻漏の症状について
健康な状態でもごく自然に鼻水が喉に流れているため、ひどい後鼻漏でなければ、疾患ではありません。
しかし、風邪や鼻炎などが原因で鼻水の量が増加すると、喉に痰がからむなどの不快感をもたらしたり、体に不調を招いたりなど、日常生活に影響を及ぼす場合があります。
一般的にあまり知られていない後鼻漏ですが、ある調査では成人の約3割の人が後鼻漏の疑いがあるといわれており、後鼻漏と分からずに悩んでいる人も少なくありません。
後鼻漏のセルフチェックリスト
下記のような自覚症状がある場合は、後鼻漏の疑いがあります。
- 異常な量の鼻水が喉に流れる
- 痰の吐き出しがある
- 痰が喉にからみやすい
- 咳き込みや咳払いが多い
- 口の中のねばつきが気になる
- 胃の膨張感や不快感
- 仰向けで寝ると苦しい
- 口臭が気になる
- 寝付きが悪い、寝不足気味、眠気やだるさを感じる
- 味覚が鈍感になる
チェック項目に多く当てはまる場合は、なんらかの重度な後鼻漏を含め疾患を引き起こしている可能性があるため、早めに病院で診断を受け、対策をとりましょう。
不快感のある後鼻漏を引き起こす5つの原因と治療法
後鼻漏による不快感や不調は喉周辺に現れるため、多くの人が喉の疾患を疑いますが、後鼻漏を引き起こす原因になっているのは、鼻の疾患であることがほとんどです。
ここからは、後鼻漏を引き起こす5つの原因と病院で具体的に行う治療法についてご紹介します。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、鼻の粘膜に侵入した異物(花粉・ホコリ・ハウスダストなど)を排除しようとするアレルギー反応で、鼻水・鼻づまり・くしゃみといった鼻炎症状が現れます。
アレルギー反応により鼻水の分泌量が増加することで、喉に流れる鼻水の量も増加します。
近年では現代病の1つともいわれており、体質だけではなくストレスや食生活、大気汚染などの影響からアレルギー性鼻炎で悩んでいる人が増加しています。
【治療法】
アレルギー性鼻炎はその原因を特定するのが困難な場合もあり、症状に合わせ薬物治療・手術治療・免疫治療の3つが基本となります。また、それぞれの治療法にはメリットとデメリットがあるため、各治療法は患者様に合わせて選択されます。
急性・慢性鼻炎
急性鼻炎はいわゆる鼻風邪で、 慢性鼻炎は鼻風邪が発症してから数週間経過しても改善せず、慢性化したものを指します。
ウイルスや細菌が鼻に侵入すると急性・慢性鼻炎を発症し、それを体内から排除するために鼻水の分泌量が多くなり、後鼻漏を引き起こします。
急性鼻炎の発症しはじめは、サラサラとした鼻水が分泌されますが、体を守っている白血球がウイルスや細菌と戦うことで、次第にドロドロとした粘性のある黄色や緑色の鼻水となり咳払いや咳き込みなどのつらい症状を引き起こします。
【治療法】
急性鼻炎の場合、数日間経過観察することで自然治癒することが多いですが、粘性の鼻水が増加し、慢性鼻炎を引き起こした場合は、抗菌剤を使用することがあります。
副鼻腔炎(蓄膿症)・好酸球性副鼻腔炎
後鼻漏の原因として最も多い疾患が、副鼻腔炎(蓄膿症)です。
副鼻腔炎とは、喉と鼻の境界部分にある副鼻腔が炎症を起こす疾患で、副鼻腔内にドロドロとした鼻水がたまり、副鼻腔から鼻、そして喉へと鼻水が流れ、後鼻漏を招きます。
副鼻腔炎の中でも特に治りにくいとされるのが、両側の鼻の中に多発性のポリープができる好酸球性副鼻腔炎です。
完治するのが難しく、後鼻漏のつらい症状と長期的に向き合う必要があります。
【治療法】
主な治療法は、ネブライザー療法・鼻うがい・抗菌剤の投与です。
薬剤では効果が出ない場合には、手術治療を行います。しかし、好酸球性副鼻腔炎の治療は苦戦する場合が多く、手術しても再発するケースがほとんどです。
上咽頭炎
上咽頭炎とは、鼻の奥と咽頭(喉)の一番上にある上咽頭が炎症を起こす疾患です。
リンパ組織である上咽頭は、大気中にいる無数のウイルスや細菌などの外敵と戦っており、体の冷えやストレス、空気の乾燥などのきっかけで上咽頭に炎症が起こり、不快感のある後鼻漏を引き起こします。
また、放っておくと慢性の炎症を引き起こし、さまざまな自律神経障害や全身に不調をもたらす厄介な病気になるため注意が必要です。
【治療法】
鼻うがい・抗菌剤・直接上咽頭を消毒するBスポット療法が一般的です。
Bスポット治療で効果が出ない場合は、手術治療を行うケースもあります。手術治療は、Bスポット治療で効果が出ない場合でも、約80%の人に有効とされています。
感覚障害
CT検査・レントゲン検査・内視鏡検査などの精密な検査を行っても、原因がわからない後鼻漏の場合は、感覚障害が原因になっている可能性があります。
原因不明の後鼻漏は、検査で分からない鼻内の繊毛機能の低下や粘性のある鼻水の分泌量の増加もあるため、全てが感覚障害というわけではありません。
しかし、喉に流れる鼻水が増える以外にも、触覚や温覚などの感覚が鈍くなったり、感覚神経に異常反応が起きたりなどの場合は、感覚障害による後鼻漏と疑ってもいいでしょう。
【治療法】
正常な鼻水の分泌を止めることは難しく、症状を和らげるために抗うつ剤や安定剤などで、症状の経過観察を行います。
家庭で出来る後鼻漏の治療法
ここからは、家庭で出来る後鼻漏の治療法についてご紹介します。
「今日は特につらい」「後鼻漏が原因で眠れない」など、特につらい症状が現れている際に行うと症状を緩和することができるので、ぜひ参考にしてみてください。
鼻うがい
専用の鼻洗浄器具を使い洗浄液を鼻の中へ流し込み、鼻の中の細菌やウイルスなどの異物を洗い流すことができる鼻うがい。
鼻うがいは、鼻の中に溜まったドロドロとした粘性のある鼻水や喉にからむ痰を洗い流すことができるため、つらい後鼻漏の症状の緩和に効果的な方法です。
鼻うがいを毎日の習慣として取り入れることで、副鼻腔炎や上咽頭炎などの鼻の疾患や花粉症などのアレルギー性鼻炎の予防効果が高いため、後鼻漏を引き起こす原因疾患の発症を食い止め、不快感をもたらす後鼻漏に悩まされることがなくなります。
鼻うがいを行ったことがない人は、はじめは難しそうと感じる人が中にはいますが、下記の手順で簡単に行うことができます。
- 200 ~300CCの洗浄液を用意する
- あごを手前にひき、顔を下に向ける
- 片方の鼻の穴に鼻洗浄器を当てる
- 「あー」と声を出しながら洗浄液をゆっくり流し込む
- 反対側の鼻から出す
- もう一方の鼻も同様に洗う
- 軽く鼻をかみ、鼻の中に洗浄液が残っていないことを確認する
鼻うがいに慣れるまでは市販されている洗浄器具を活用し、鼻洗浄スプレーを使うと鼻への刺激に慣れ、鼻うがいをスムーズに行うことができるのでおすすめです。
温熱療法
後鼻漏には、鼻の粘膜を温める温熱療法が有効です。
鼻の粘膜を温めることで、鼻通りをよくし、後鼻漏の症状を和らげることができます。
- 入浴するまたはお風呂の湯気を吸い込む
- 水蒸気が出るスチームを鼻に当てる
- 鼻カイロで鼻周辺を温める
- 足湯で鼻通りを良くする
特に、鼻カイロは、鼻の不快感が気になったときに気軽にできるおすすめの方法です。
温めた濡れタオルで鼻周辺を温めることで、鼻の中を保温し適度な潤いを与えるため、鼻の血行が良くなり、不快感のある症状を解消することができます。
下記の手順で簡単に鼻カイロを使って簡単に、鼻を保湿・保温することができます。
- タオルを水で濡らし電子レンジで30秒~1分温める
※タオルが熱くなりやすいので、やけどに気をつけましょう。
- 鼻の穴から鼻の付け根にかけてタオルを当てて、鼻呼吸を何度か繰り返す
電子レンジが家庭にない場合は、40~50℃のお湯にタオルをつけて、軽く絞ることでも鼻カイロをつくることができます。
まとめ
この記事では、後鼻漏のセルフチェックリスト、不快感のある後鼻漏を引き起こす5つの原因と治療法、そして家庭で出来る後鼻漏の治療法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
後鼻漏自体は病気ではありませんが、後鼻漏のセルフチェックリストに該当する自覚症状がある人は、副鼻腔炎や上咽頭炎、逆流性食道炎などの疾患を引き起こしている可能性があります。
鼻や喉の不快感や不調を招く後鼻漏を改善するためには、病院で適切な治療を受けつつ、家庭でも効果的な治療法を取り入れることが大切です。
特に、鼻うがいは、後鼻漏の症状の改善だけではなく、風邪やアレルギー性鼻炎などの原因疾患を予防する効果も高いためおすすめです。
後鼻漏を治したい方は、ぜひ参考にして行ってみてくださいね。