インフルエンザ予防に役立つ正しいうがいと自分でできる5つの予防法
寒くなり空気が乾燥する季節に必ず流行するインフルエンザは、年齢性別にかかわらず毎年多くの感染者を出している感染症です。
インフルエンザの予防には予防接種ももちろん有効ですが、それと同時に日常の中で自分で予防することが大切になってきます。
うがいなんてあまり意味がないと思われている方も多いですが、実はうがいは京都大学の研究グループによって風邪などの予防に効果があると実証されている対策法なのです。
そこで今回は、インフルエンザ予防に役立つ正しいうがいの仕方と、うがい以外にも自分でできる5つの予防法を紹介します。
インフルエンザ予防に役立つうがいの仕方
インフルエンザウイルスは飛沫で感染することが多い感染症です。飛沫感染は、すでに感染している人がくしゃみや咳などをした際に空気中に飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。
しかもインフルエンザウイルスの場合、感染力が強く脅威的なスピードで感染していきます。電車の中や学校、会社など人が集まっている場所に出入りしている方はいつ感染してもおかしくありません。
そのため、正しいうがいの仕方を知っておくことは非常に重要なのです。
うがいを習慣にするべき理由
では、なぜうがいをするとインフルエンザ予防に役立つのでしょうか。うがいを習慣にするべき理由を紹介します。
ノドの防御機能を高める
ノドは繊毛運動によって外から入ってくるウイルスや細菌から体を守る防衛本能が働いています。ノドの粘膜は、1分間に1,000回も振動する繊毛運動によって粘液を外に送り出すことでノドに入ってきた異物を排除しています。
しかしノドの粘膜が乾燥してくると粘膜の表面が傷ついてしまい、繊毛運動が円滑に行われなくなるので、ウイルスや細菌の侵入を許してしまうことになるのです。
うがいをすることでノドの粘膜の乾燥を防ぎうるおいを与え、繊毛運動を正常に働かせて防衛機能を守りましょう。
細菌やウイルスを洗い流す
うがいにはノドや口の粘膜についた細菌やウイルスを物理的に洗い流してくれる効果があります。ホコリなども一緒に洗い流してくれるので、ノドや口の中を清潔に保つこともできるのです。
インフルエンザウイルスは、吸い込んでしまったからといってすぐに症状が出るというわけではないので、ウイルスが体の中に入り細胞内に入ってしまう前に洗い流してしまうことができれば、感染する確率を大幅に下げることができます。
そのため、外から帰ったときなどは、まずはうがいをしてノドについたウイルスを洗い流すことが大切なのです。
正しいうがいの仕方
うがいを習慣にするべき理由を知ったところで、正しいうがいの仕方を紹介します。正しいやり方で行わないと効果が出ないこともあります。せっかくうがいをするなら、正しいやり方で行いたいものです。
うがいには大きく分けて2つのやり方があります。上を向いてノドの奥を洗ううがいと、口の中を綺麗にするうがいです。インフルエンザ予防には、上を向いてノドの奥を洗ううがいが有効とされています。
インフルエンザ予防に有効な正しいうがいの仕方
- 水道水を口に含んで口を閉じ、頬を動かして口の中をゆすいで吐き出す
- 再度水道水を口の含み、上を向いてオーと声を出して15秒ほどうがいをする
- 口に含んだうがい液が温かくなってきたと感じたら吐き出す
これを2回1セット(2回目は2,3のみ)できれば1日に3回ほど行ってください。
重要なことは1の口をゆすぐことです。いきなりガラガラうがいをしてしまうと逆にウイルスを喉に流し込んでしまう可能性があります。必ず一度口の中をゆすいでから行いましょう。特に帰宅したときや食事の前、掃除をしたときなどはうがいをしてウイルスがノドから侵入するのを防ぐことが大切です。
うがい以外に自分でできる5つの予防法
インフルエンザにかかってしまうと仕事や家のこと、学校など日常でするべきことが滞ってしまうので、治ってから生活の流れを取り戻すのはなかなか大変なことです。
インフルエンザを予防するためには、日頃自分でできる予防法を行い、毎日の習慣にすることが大切です。なぜか毎年かかってしまうという方もいますが、インフルエンザにかかりやすい方は、かかりにくい人に比べて予防策をあまり行っていない傾向にあります。
インフルエンザ予防のためにうがいを習慣にするべき理由を紹介しましたが、その他に自分でできる予防法にはどのようなことがあるのでしょうか。
人混みを避ける
インフルエンザウイルスに接触してしまう機会を減らすために、できる限り人混みのある場所や地域へ出かけるのを避けましょう。どうしても出かけなければいけないときは、顔とマスクにできるだけすき間ができないように口と鼻をマスクで覆って出かけましょう。
そしてできるかぎりセキをしている人のそばには近づかないようにし、人混みでは飴やガム、タブレットなどを口に含むと唾液の量を増やすことができるのでウイルスから粘膜細胞を守ことができます。
こまめな手洗い
インフルエンザは飛沫感染の他に、手や指を介した接触感染をするので、こまめな手洗いは感染を防ぐためには非常に大切です。
手洗いのタイミング
- 帰宅したとき
- セキやくしゃみを手で押さえたあと
- 人混みのある場所に行ったあと
- 食事をする前
- 料理をする前
- トイレに行ったあと
正しい手洗いのやり方
- 流水で汚れをしっかりと洗い流す
- 石鹸をつけてよく泡立てる
- 15秒以上揉み洗いをする
- 流水でしっかりと洗い流す
- 清潔なタオルやペーパータオルなどで拭く
揉み洗いをするときは、手の甲・指先・爪の間・指の間・親指・手首までしっかりと念入りに行ってください。
バランスの取れた食生活
インフルエンザに限らず、バランスの取れた食事でしっかりと栄養を摂ることはウイルスに負けないために非常に大切なことです。
インフルエンザが流行する背景には、ビタミンDの低下も挙げられています。人間がビタミンDを作るには、日光に当たるか食事で摂取するかの2種類の方法があります。
大部分は日光から摂取していますが、足りない分は食事で補う必要があります。ビタミンDを多く含むとされている魚介類や卵の黄身、キノコなどを意識して食べるようにすると、日光で補えない分のビタミンDを摂取できるのでインフルエンザ予防にも繋がります。
また、免疫力を保つこともインフルエンザ予防には不可欠です。そのためにはタンパク質や脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素をバランス良く摂ることが必要です。
朝食を食べない、ジャンクフードでお昼を済ませるなどの食生活はやめにして、3食しっかりと食べる習慣に変えましょう。
インフルエンザ予防におすすめの食品
- ヨーグルトや味噌、キムチなどの乳酸菌を含む食品
- チョコレートや赤ワイン、ぶどうなどのポリフェノールを多く含む食品
- 緑茶や紅茶などカテキンを多く含む食品
- ブロッコリーやカボチャ、ピーマン、人参などの緑黄色野菜
手軽に手に入るこれらの食品は特に意識して摂ることでインフルエンザの予防になります。これらの食品が持つ栄養素をしっかりと体に取り込んで、ウイルスに負けない体を作ることが大切です。
加湿器を使う
加湿器を使って室内の湿度を50%前後に保つことで、インフルエンザの予防をすることができます。
ウイルスや細菌の活性化には湿度も大きく関係していて、湿度が高すぎても低すぎても活発に活動し、感染力を高めてしまいます。湿度が70%を超えてしまうと、室内に結露が増え、カビやダニが発生しやすくなってしまうので加湿しすぎには十分に注意しましょう。
インフルエンザが流行する寒い季節は乾燥するため、ノドや鼻の防御機能を保つためにも加湿器を使って湿度を保ちましょう。
鼻うがいをする
うがいによってノドのウイルスを洗い流すことができることは上記で紹介しましたが、鼻うがいによって鼻の粘膜を洗い流すことや、鼻腔内の乾燥を防ぐこともインフルエンザを予防するのに非常に効果的です。
家庭でできる簡単な鼻うがいの方法
準備するもの
- 洗面器
- 一度沸かしてから人肌に冷ました生理食塩水(200~300ccに食塩8~2.7g)
- 前かがみの姿勢になり洗面器に顔を近づける
- 片方の鼻を指で押さえてもう片方の鼻から洗浄液を流し込む
- 洗浄液を反対側の鼻から出す
- 1~3の工程を2~3回ほど繰り返す
- ティッシュで優しく鼻をかむ
慣れないうちは濡れてもいいようにお風呂で行いましょう。自分で作った洗浄液を使わずに市販の鼻うがい器と洗浄液のもとを使って行っても良いです。
まとめ
インフルエンザ予防に役立つ正しいうがいの仕方とうがい以外に自分でできる5つの予防法をご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?
会社での会議の後や学校での授業の後など密閉空間から出たときは、すぐに飲み物を飲んだりせずいったんうがいをしてからにしましょう。水道水で良いので1日に何度もうがいをすることがインフルエンザの予防には効果的です。
インフルエンザは一度かかってしまうと、発熱をはじめ頭痛などのさまざまな症状に悩まされる病気です。場合によっては重症化してしまうこともあるので、日常の中でも自分でできる予防法を実行して、かからないように対策していきましょう。