後鼻漏に効く3つの対策!引き起こす原因と通常の鼻水との違いを紹介
健康な成人でも、1日約1リットルの鼻水が喉に流れていることをご存じでしょうか?
誰でも無意識に鼻水が喉に流れるものですが、この鼻水や症状を後鼻漏と言い、鼻水の分泌量や粘液性のあるネバネバとした鼻水が普段より増加すると、喉の違和感や淡づまり、咳などを引き起こします。
この記事では、後鼻漏の原因や症状に効く3つの対策についてご紹介します。
鼻をかんでも鼻づまりが解消されなかったり、不快感が続いたりしている方は、ぜひ、参考にしてみてください。
後鼻漏ってどんな病気?
後鼻漏の症名や症状は、一般的にあまり知られていませんが、あるクリニックによる、一般男女20歳~69歳の500名を対象にした調査では、全体の30%以上の方が後鼻漏の疑いがあるということが分かっています。アンケート調査の対象者のうち、後鼻漏を知っている方は全体のわずか2.2%と、認知度は非常に低いというのが現状です。
データを見るに健康な方でも、知らず知らずのうちに後鼻漏を悪化させ、日常的に不快感を感じていることが容易に推測されますよね。それではまず、後鼻漏とはいったいどのようなものなのかを知り、適切な対策をとりましょう。
後鼻漏の不快な症状
健康な方でもある一定量の鼻水が喉に流れていますが、喉に流れる鼻水の量が極端に増えると、下記のような不快な症状が現れます。
- ネバネバとした粘液性のある鼻水が出る
- 喉の違和感・異物感・つまり感
- 咳払い
- 咳き込み
- 痰が絡む
- 痰を吐き出す
これらは後鼻漏の典型的な症状、特徴であり特に、喉への影響が強く、痰による違和感や咳払いで不快感をもたらします。
後鼻漏がもたらす弊害
後鼻漏の不快感は、自分だけの問題ではなく、「咳払いがうるさくないか」、「口臭が気になる」など周囲の方へも迷惑をかける恐れがあり、その結果気遣いや対人関係などの心理的な負担も大きくなります。
- 痰が絡む
- 睡眠不足
- 咳払い
- 口臭がひどくなる
睡眠不足による、集中力や記憶力の低下など、二次的症状を引き起こすことも考えられます。
後鼻漏と通常の鼻水の違い
通常の鼻水は鼻腔内で作られたのち、無意識に喉に流れ、排除されますが、後鼻漏による異常な鼻水は、通常の鼻水とは質や量も異なり、鼻と喉の境目にある上咽頭を通過する際に、違和感・不快感・異物感を感じます。
普段とは違う、異常な感覚がある場合は、後鼻漏になっている可能性があります。早めに専門医に診てもらうようにしましょう。
後鼻漏になる原因
前述の通り、後鼻漏は普通の鼻水が喉に流れる無意識な感覚とは異なり、違和感や不快感などの自覚症状が現れますが、後鼻漏になる原因とは、いったい何なのでしょうか?
ここからは、後鼻漏の原因について詳しく紹介していきます。
慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎とは、鼻腔と細い管でつながっている副鼻腔に炎症が起こる疾患です。風邪やアレルギー性鼻炎などの症状がきっかけで、副鼻腔の粘膜が腫れてしまいます。
副鼻腔炎は、副鼻腔と鼻の間の自然口がふさがり、本来であれば副鼻腔から排出される分泌物や異物が滞ってしまい、鼻水・鼻汁・膿がたまるなどの不快な症状が現れます。
症状が現れてから4週間未満の副鼻腔炎を「急性副鼻腔炎」といいます。適切な治療を行えば、1週間ほどで鼻の症状は良くなりますが、副鼻腔に炎症が残っている状態で治療をやめてしまうと慢性化し、「慢性副鼻腔炎」に移行します。
この慢性副鼻腔炎になると、副鼻腔から排出される粘液が喉に落ち、後鼻漏になることがあります。
アレルギー性鼻炎
花粉・ホコリ・ハウスダスト・細菌などのアレルギー性鼻炎が後鼻漏の要因になっていることもあります。ひどい花粉症で鼻水や鼻づまりがある方は注意が必要です。
さらにアレルギー性鼻炎の中には、鼻水が喉に流れるだけの症状もあり、自覚していない方も多く、後鼻漏が関与していると、一般的なアレルギー性鼻炎の薬とは異なる薬で治療を行わなければならないケースもあります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、強い酸性の胃液・胃で消化中の食物が、食道に逆流することで、食道が炎症を起こす病気です。
主な症状は、胸の痛みや胸やけですが、睡眠時に胃酸が、上咽頭(鼻の奥)まで逆流することもあり、上咽頭に胃酸が逆流した場合、鼻の奥に炎症が起き、鼻水が喉におりていくような後鼻漏の症状が現れることがあります。
いびき症・睡眠時無呼吸症候群
いびきは、主に軟口蓋という部位が振動して音が出ますが、いびきによって軟口蓋が腫れると、鼻と喉の奥の突き当たりの部分に違和感を感じることがあります。
寝ている間のいびきは、見落としがちですが、いびきを放置していると、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしたり、後鼻漏の原因になるため、いびきのある方も注意しましょう。
血管運動性鼻炎
血管運動性鼻炎とは、くしゃみや鼻閉などのアレルギー性鼻炎と同様の症状が現れる鼻炎です。下記のような自立神経のバランス不調により起こり、後鼻漏の原因にもなります。
- 温度や環境の変化
- 疲れ
- 寝不足
- 精神的ストレス
- 香料
- タバコの煙
極端な温度変化や環境の変化を避けること、睡眠時間を確保するなどの規則正しい生活を心がけることも大切な対策です。
後鼻漏に効く3つの対策
最後に、後鼻漏に効く対策を3つご紹介します。特に先ほどご紹介した原因となる疾患の発症を予防する方法が効果的です。
医療機関に通ったり、薬を服用する必要がなく、自宅で簡単に行える対策なので、参考にしてみてください。
室内を清潔にし湿度を保つ
活動する室内の環境対策は、後鼻漏患者にとって大切なポイントです。
空気が乾燥していると、比較的軽いホコリが浮遊しやすくなり、空気中にあるホコリを吸い込んでしまい、アレルギー性鼻炎を引き起こす原因になります。
以下の対策をすることで後鼻漏を未然に防ぐようにしましょう。
- 頻繁に床を掃除する
- 加湿器で室内の湿度を40〜60%に保つ
- 室内のホコリを取り除く
- 空気清浄機を設置する
特に花粉やホコリを取り除き、加湿もしてくれる「加湿空気清浄機」は便利で効果的です。
室内を清潔に保ち、適切な湿度に設定することを習慣づけましょう。
ストレスをためない
原因になる疾患や後鼻漏などの鼻の病気は、ストレスが要因になることがあります。日頃からストレスをためないように意識しましょう。
- 趣味など好きなことに没頭する
- 娯楽の時間を作る質の良い睡眠をとる
- 生活リズムを整える
- 適度な運動を取り入れる
適度に体を動すことで、体の免疫を高め、体全体の血行を良くし、鼻づまりの改善へと繋がります。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎は、鼻づまりの症状が強く現れる傾向にあるため、それらを防ぐことで症状を緩和しましょう。
鼻うがい
鼻うがい専用の洗浄器と洗浄液のもとを活用し、鼻腔内を綺麗に洗い流すことができる鼻うがいは、後鼻漏に最も効果的です。
- ウイルス対策(風邪・インフルエンザなど)
- 急性副鼻腔炎の治療や慢性副鼻腔炎の症状の緩和
- アレルギー対策(花粉・ホコリ・ハウスダストなど)
後鼻漏の症状である鼻水や痰を洗い流すことで症状を緩和することができ、後鼻漏を引き起こす原因疾患を予防するなど、鼻うがいにはたくさんの効果が期待できます。
難しそうというイメージをもたれてしまいやすい、鼻うがいですが、市販の鼻うがい専用の洗浄器や洗浄液のもとを活用すると、スムーズに行うことができます。
始めはミストやスプレータイプのものから鼻うがいを行うと、次第に鼻への刺激に慣れていくことができるのでおすすめです。
まとめ
この記事では、後鼻漏の原因や症状、後鼻漏に効く3つの対策についてご紹介致しましたが、参考になりましたか?
後鼻漏は、あまり知られていない病気なので、鼻や喉に違和感や不快感がある方は、後鼻漏を疑ってみるとよいでしょう。
また、原因疾患を既に発症させている方は、後鼻漏の不快な症状を招く可能性があるため、室内を清潔に保つことやストレスをためないなど基本的なことですが、改めて確認してみるようにしましょう。
ご紹介した中でも、鼻うがいは後鼻漏になる原因疾患の予防や、なってしまった後でも症状を緩和する効果が期待できます。
自宅で洗浄液を作る方法もありますが、市販の鼻洗浄用品を用いると失敗もなく日常に取り入れやすいです。もし心配な方は、薬剤師さんや専門医に相談して行うようにし、後鼻漏を改善させていきましょう。