花粉症の時期はいつからいつまで?つらい症状を和らげる3つの予防策
花粉が飛散する時期は、寒い時期や春先だけでなく、季節を問わず1年中飛散しているのはご存知ですか?
ほぼ年間を通して、何かしらの花粉が日本全国で飛散しています。そして、花粉症は今では国民症、現代病ともいわれる病気の一つです。
花粉症というとスギ・ヒノキの花粉がイメージとして定着していますが、夏や秋にもアレルギー反応を起こす花粉があるため、夏と秋は花粉症のシーズンではないという思い込みから、鼻水などの症状が出ても風邪だと判断してしまうこともあります。
花粉が飛散し、アレルギー症状が出始めると「くしゃみ」「鼻水」「目のかゆみ」が主な症状として現れ、日常における生活の質の低下にも繋がるため、症状を和らげる予防策を活用することはとても大切です。
本記事では、花粉症の原因となる植物の種類、花粉が飛散する時期と一緒に、花粉症の症状を和らげる3つの予防策をご紹介します。
ぜひ本記事を参考にしていただき、花粉症の時期に合わせて予防策を取り入れていきましょう。
花粉の基本情報と花粉症になるメカニズム
花粉は季節によって飛散する種類が違うため、春先の花粉症のシーズンだけ症状が引き起こる方もいれば、夏や秋に花粉症に悩まされる方もいます。
現在では、日本国内だけで60種類以上のアレルゲンとなる花粉の種類が確認されており、日常生活に大きく影響を与える病気だと言えるでしょう。
ここでは、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれている代表的な花粉の種類、花粉が飛散する時期と花粉症になるメカニズムについてご説明します。
花粉の種類と時期
代表的な花粉として思い浮かぶスギ花粉、ブタクサ花粉以外にも、水のようなサラッとした鼻水が出続けたり、頑固な鼻づまりなど、つらい症状を引き起こす植物はたくさんあります。
スギ花粉
日本で最も多い花粉症の原因であるスギ花粉。2〜4月にかけて花粉が飛散します。
沖縄や一部の北海道を除いた全国で花粉が確認でき、飛散する距離も長いことが特徴です。
飛散する量は、前年の夏の気象が大きく関わっており、降水量が少なく、気温が高い夏だった場合の翌年のスギ花粉は、飛散量が多いと言われています。
ヒノキ花粉
ヒノキ花粉の飛散時期は3〜5月。花粉の飛散する距離も長く、全国広範囲でヒノキ花粉に悩まされる方は多いでしょう。
飛散量も多く、スギ花粉と時期が重なっているため、ヒノキ花粉とスギ花粉の両方の花粉症を持っている方は、重症化しやすくなります。
シラカンバ花粉
シラカンバ花粉が飛散する時期は4〜6月。北海道では、主にこのシラカンバ花粉が多く飛散しており、発症する方も徐々に多くなっています。
口腔アレルギー症状を起こすことがあり、リンゴやモモなどのフルーツを食べると口の中が腫れたり、かゆくなったりします。
生でフルーツを食べたときにだけアレルギー反応が起こるため、ジュースや調理がされたフルーツであれば口腔アレルギーが起こりにくいですが、個人差があるため注意しましょう。
イネ花粉
イネ科の花粉時期は5〜11月頃まで続きます。お米が取れる稲だけでなく、イネ科にはさまざまな種類があるため、種類によって長期的に症状が続くこともあります。
イネ科の植物は、風にのって遠くまで飛散することがないため、数十メートル程度の飛散距離です。しかし、知らずに直接イネ科の植物に触れると、強く症状が出たり、花粉皮膚炎による肌荒れが起こるため、イネ科の植物の特徴を知って近づかないようにしましょう。
イネ科の中でも、カモガヤという種類が花粉症の原因となりやすいです。
ブタクサ花粉
ブタクサ花粉の飛散時期は8〜10月。スギ花粉、ヒノキ花粉の次に多い花粉症の原因となるアレルゲンです。
風の強いタイミングだと、集中して飛散するため注意する必要がありますが、基本的には飛散距離が短いため、近づかないように距離を保ちましょう。
喘息の原因にもなるアレルゲンのため、注意が必要です。
カナムグラ花粉
8〜11月頃まで花粉を飛散するカナムグラ。日本全土に生息する植物で、繁殖力が高く、道端や空き地、家の庭などにも生えます。
九州から東北の地域で花粉が飛散しており、とくに関東は飛散量が多く、飛散する時期も長いです。
どこにでも生息しているため接触する可能性の高い植物ですが、飛散距離は数十メートル程度なため、近づかないように距離を取るとよいでしょう。
ヨモギ花粉
ヨモギ花粉の飛散時期は8〜10月。飛散時期は、地域によって多少異なりますが、全国いたるところに生息している繁殖力のある植物です。
生息している地域も多いため、ブタクサよりも飛散量が多いと言われています。
飛散距離は短いですが、身近な雑草なため見かける機会の多い植物なので、ヨモギの生えている場所に近づかないようにするとアレルゲン対策ができるでしょう。
花粉症になるメカニズム
アレルゲン(花粉)が鼻や口から入り込むと、リンパ球が花粉を侵入者と判断し、IgE抗体を作ります。このIgE抗体と花粉は、鍵と鍵穴のような関係性のため同じもの同士で結合します。
IgE抗体とは、アレルギーの原因となる異物に対して、身体を守る機能を持つ抗体です。
花粉と結合したIgE抗体は、鼻や喉にあるマスト細胞(肥満細胞)と結合することで、花粉は体内から排出する異物であると免疫機能が記憶し、働き始めます。
この免疫機能が働いているところに、鼻や口からさらにアレルゲンが侵入してくると、免疫機能が鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙で洗い流すといったアレルゲンを体内から排出するような症状が現れます。花粉症の症状は、免疫機能がアレルゲンに対する防御反応を起こしている証拠です。
免疫機能が過敏な方ほど、症状の出かたが強くなるため、常にくしゃみや鼻水が止まらなかったり、重症化し生活に支障をきたします。
花粉症に効く3つの予防策
花粉症の症状といえば鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがありますが、他にも喉が炎症を起こすと咳が止まらなくなったり、倦怠感のような症状も出ることがあります。
花粉症の影響により、生活の質が下がってしまうことも十分に考えられるため、早めの対策に加えて、自分でできる予防策を行うことで、症状に悩まされず快適な時間を過ごすことができます。
マスクやメガネ、市販薬などは花粉症から身を守るためのマストアイテムです。このアイテムと一緒に、症状を軽くする予防策を行うことでさらに効果が期待できます。
ここでは、花粉症の症状を軽くする予防策を3つご紹介します。自分のライフスタイルに合った対策を取り入れ、症状を軽くしましょう。
食生活の改善
アレルギーの症状を軽くするためには、食事の内容や規則正しい食生活にすることが大切です。
とくに添加物が多く含まれた加工食品の摂取は、症状を悪化させる原因となります。加工食品の増加によって、花粉症になった患者数が増えているとも言われています。
しっかりと栄養を取れる食事バランスにすることで、花粉症に対する体の免疫力を高め、抵抗力が上がり、アレルギー反応を抑えることに期待が持てます。
花粉症の対策としておすすめの栄養分は、乳酸菌と食物繊維です。どちらも、腸内環境を整え、免疫力を上げる効果があります。
乳酸菌の代表的な食品は、ヨーグルト、味噌、チーズなどの発酵食品で、これらは食事に取り入れやすいでしょう。それに加え、食物繊維が豊富に含まれているレンコン、ごぼうなどの根菜類を摂取すると効果が期待できます。
高タンパク質、高脂質の食べ物は免疫力を低下させるため、症状がひどいときには食べ過ぎないようにしましょう。
アルコールを控える
アルコールも花粉症の症状を悪化させてしまう原因の一つです。
アルコールが体の中で分解されるとき、アセトアルデヒトという物質が作られます。このアセトアルデヒトは、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を促進させる作用があるため、くしゃみや鼻水などの症状が強く出ます。
また、アルコールは血管を拡張させるため、頑固な鼻づまりや目の充血などの症状も引き起こす原因となるため、過度なアルコール摂取は控えましょう。
とくに花粉が多く飛散している春先には、花見などでアルコールを飲むことが多くなってしまう時期です。症状が重症化しないようにアルコールの摂取量を調整することも考えていきましょう。
鼻うがいを習慣化する
鼻うがいとはその名の通り、鼻の中に液体を通してうがいをするセルフケアです。喉のうがいでは届かない鼻の奥にある気管も清潔にします。
鼻うがいは、専用の洗浄器具と洗浄液を使うことで、痛みのない爽快さを感じる鼻うがいができます。また、色々なタイプの洗浄器具があるため、ライフスタイルに合わせて洗浄器具を選ぶことができ、生活に取り入れやすいセルフケアです。
鼻うがいを行うときには、水道水や真水を使うことは避けましょう。水道水や真水を鼻に流し込むと、ツーンとした痛みを伴ったり、雑菌が入り込むリスクが高くなります。
販売されている洗浄器具と洗浄液を揃えると、快適な鼻うがいができるため、まだ鼻うがいを試したことのない方は市販されているものを揃えるとよいでしょう。
鼻呼吸をしていると、花粉だけでなく、空気中を漂っているホコリ、ウイルスなども一緒に吸ってしまうため、鼻の中を清潔にすることは健康を保つために重要です。
花粉症によって鼻水や鼻づまりが起こると、うまく鼻呼吸ができない原因になります。
鼻には神経が集中しているため、花粉症を悪化させないように注意しなければなりません。とくに、鼻の呼吸が乱れると自律神経に悪影響を及ぼし体だけでなく、心の不調を生み出す原因にもなります。
鼻呼吸を整えることは、体と心を整えることに繋がるため、鼻を清潔に保つことはとても大切です。
まとめ
本記事では、花粉が飛散する時期、花粉症を引き起こす植物の種類と花粉症に効果的な3つの予防策についてご紹介しました。
花粉は種類を問わず、1年中飛散しています。個人差によって花粉症を引き起こす種類に違いはありますが、誰もが花粉症を発症する可能性はあります。
花粉症に悩んでいる方は、生活に取り入れやすい予防策を選び習慣化すると症状を軽くすることができます。
健康を保つための食生活の見直し、アルコールの摂取量の調節、鼻の中を清潔に保つ鼻うがいは、花粉症の症状を和らげる期待の持てる予防策です。
ぜひ参考にしていただき、快適な生活を送れるようにしていきましょう。