副鼻腔炎の鼻水が出ない原因と自宅で出来るセルフケアの紹介

副鼻腔炎の症状は、風邪と似ているため風邪との判別が難しいですが、鼻水の状態や風邪ではあまり感じることがない痛みがあるなどの症状が現れているなら、副鼻腔炎になっているかもしれません。

この記事では、副鼻腔炎の症状や原因などの基本情報、鼻水が出ないときの原因と対処法、副鼻腔炎の治療法や悪化を防ぐ方法についてご紹介します。

副鼻腔炎になり鼻水が出ないなどつまり感を解消させたい方、副鼻腔炎の治療法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

副鼻腔炎の基本情報

副鼻腔炎

鼻の中の副鼻腔の粘膜に炎症がある状態のことを副鼻腔炎と言います。

副鼻腔炎の症状や引き起こす原因など、副鼻腔炎の基本情報についてご紹介します。

効果的な対処を行うためには、まず副鼻腔炎の正しい基本情報を理解しておくことが大切です。では、さっそくご紹介します。

副鼻腔炎の症状とは?

風邪がなかなか治らない方や、花粉症などのアレルギー症状が現れているけど、いつもと違う違和感やつまり感を感じている方は、副鼻腔炎を併発しているかもしれません。

下記のような症状がないか確認してみましょう。

  • 鼻水から嫌な匂いがする
  • 濁った粘液性の鼻水が出る
  • 頬・おでこ・目の奥の周辺が痛む
  • 喉に痰がからむ
  • 発熱
  • 頭痛
  • 匂いが分からない

副鼻腔の炎症が続くと、鼻の中にポリープ(鼻茸)と呼ばれるものができることがあります。ポリープができると嗅覚に異常が起き、匂いが分からなくなったり、鼻づまりを引き起こし睡眠障害などの生活に支障をきたす恐れもあります。

副鼻腔炎を引き起こす原因

副鼻腔炎を引き起こす主な原因は、風邪などのウイルスや細菌です。風邪を長引かせたり、ホコリやハウスダストなどのアレルギー物質が原因で下記のようなメカニズムで副鼻腔炎が発症します。

  1. ウイルス・細菌感染・アレルギーが原因で副鼻腔が炎症を起こす
  2. 炎症が起き、粘膜が腫れることで自然口をふさぐ
  3. 副鼻腔から異物や分泌物が排出できず、鼻水や膿がたまる

副鼻腔炎の症状が発症し1ヶ月以内の場合を「急性副鼻腔炎」、症状が現れてから1ヶ月以上経過した場合は「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」と診断されます。

慢性副鼻腔炎の中でも症状がひどい場合は「好酸球性副鼻腔炎」になる恐れもあります。好酸球性副鼻腔炎は、ポリープができやすく、嗅覚障害が出る恐れや治療しても再発する可能性が高い、厄介な副鼻腔炎です。

副鼻腔炎の治療法と悪化を防ぐ方法

副鼻腔炎 治療法

副鼻腔炎の中でも軽症と言われている急性副鼻腔炎でしたら、1〜2週間ほどで自然に治ることもあります。ですが、油断していると症状は悪化してしまい、慢性副鼻腔炎や完治が難しい好酸球性副鼻腔炎になることも少なくありません。

治療法と症状の悪化を防ぐ方法を理解しておくこと、症状に合わせて対策することができます。

重症度に限らず完治させたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

医療機関で行う処置・薬物治療

副鼻腔炎の可能性がある方は、まず医療機関を受診し副鼻腔炎の進行具合を理解することが大切です。医療機関で行う治療法は、処置療法と薬物療法の2つに分類されます。

  1. 処置療法…鼻処置・ネブライザー療法・副鼻腔洗浄
  2. 薬物療法…ステロイド・生物学的製剤・抗菌薬

どのような治療法を選ぶのかは、治療を受ける人の症状と医療機関によって異なります。一般的に専門医が症状や重症度に合わせて治療法を決めます。また、治療法を組み合わせることもあります。

手術治療

副鼻腔炎の治療を数ヶ月継続しても「効果が感じられない」「症状が一向に良くならない」ときは、内視鏡を使用した手術を行うことがあります。

副鼻腔炎を治すために行う「内視鏡下鼻内副鼻腔手術」は、腫れた鼻の粘膜の原因であるポリープを取り除き、鼻が本来持つ自浄作用の回復を促す手術です。

医療機関にもよりますが、日帰り手術が可能な場合や、入院する場合でも1週間ほどで退院することができるなど、内視鏡手術は患者に負担が少ないことが特徴です。

他にも内視鏡手術は、下記のような利点があります。

  • 正確性が高く安全
  • 手術時間が約1時間半と短い
  • 出血や痛みが少ない
  • 手術後の頬や顔の腫れを抑えられる

再発防止のためにも手術後も引き続き、根気よく治療を続けていく必要があります。

症状の悪化を防ぐ方法

医療機関で行う治療法はもちろん副鼻腔炎には有効ですが、生活習慣の見直しも重要です。毎日の生活習慣が、副鼻腔炎の症状を悪化させていたり、進行を早めている可能性も考えられます。

  • 喫煙…鼻粘膜の炎症を悪化させる
  • 飲酒…アルコールが鼻粘膜の腫れを助長する
  • 市販の点鼻薬を頻繁に使用しすぎない…効果を感じにくくする
  • 風邪をひいたら無理しない

また、風邪をひかないためにも、毎日のバランスの良い食事や、良質な睡眠を取ることなど、免疫力を高めることを意識するのも大切です。

鼻水が出ないときの対処法

副鼻腔炎 対処法

副鼻腔炎の症状でご紹介したように、止まらない鼻水の他にも、鼻づまりが原因で鼻水が出ないことで悩んでいる方も少なくありません。

続いて、鼻水が出ない原因と鼻水を出すための対処法についてご紹介します。鼻づまりを解消させたい方、鼻水を出してスッキリするための方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

鼻水が出ない原因を理解する

鼻水が出ない原因のひとつは「鼻づまり」です。副鼻腔炎のつらい症状のひとつですが、鼻づまりにもいくつかの種類があります。

  • 片方の鼻のみつまる
  • 鼻水の分泌量が極端に増え、排出されない
  • 痰がからむ

上記のことだけでなく、鼻づまりを放っておくと二次的な症状にまで影響を及ぼす可能性もあります。

  • 夜の眠りが浅くなり、疲れが取れにくい
  • 呼吸ができず、口呼吸になってしまう
  • 口や喉が渇いて風邪になりやすくなる
  • 鼻血が出る

鼻水が出ないことや鼻づまりを放置してしまうのと、上記のような症状が出てしまう可能性があるので注意しましょう。日頃から鼻のケアを怠らないようにすることが、とても大切です。

鼻づまりや鼻水を出す対処法

副鼻腔炎の症状を緩和させるためには、先ほどご紹介したように医療機関などで行う治療法だけでなく、ご自宅で鼻づまりを解消させ、鼻水を出すセルフケアを取り入れるのがおすすめです。

ご紹介する対処法は、二つのセルフケアです。短い時間で自宅で手軽に行うことができ、どちらのセルフケアも鼻の血行を良くし、鼻づまりを解消するのに効果的です。

ぜひ参考にしてみてください。

鼻カイロ

温めたタオルを鼻にあてて、鼻の血行を良くし、鼻通りをよくする方法。鼻が温まると、鼻づまりが解消した経験はありませんか?

  1. 40〜50度のお湯につけたタオルを用意する(水に濡らしたタオルを電子レンジで30秒〜1分温めたタオルでも可)
  2. やけどに注意しながら、軽くしぼる
  3. 鼻の穴あたりから、鼻の付根にタオルをあてて、鼻呼吸する

鼻カイロを行うタイミングや回数は決まっていませんが、朝起きた時、鼻をかんでも鼻水が出ない時など鼻づまりがひどい時に行うのが効果的です。

鼻うがい

鼻うがい専用の洗浄器を使用し、洗浄液のもとを直接鼻の中へ流し込み、溜まった鼻水や膿を洗い流す方法。花粉症・ホコリやハウスダストなどのアレルギー性鼻炎・ウイルス性の感染予防にも効果があります。

  1. 洗浄器と200〜300mlの洗浄液のもとを用意する
  2. 少しあごを引いて下を向いた状態で、鼻の穴に洗浄器を当てる
  3. 「あー」と声を出しながら、鼻の中に洗浄液のもとを流し込む
  4. 洗浄液のもとを流し込んだ鼻とは反対の鼻から出す
  5. もう一方の鼻も同様に洗う

鼻うがいを行う時に使用する洗浄液のもとは、沸騰させたお湯に対し、0.9%の食塩を溶かすだけで生理食塩水として自宅でも簡単に作ることができます。

生理食塩水は作り置きができないため、衛生面に配慮し鼻うがいをするタイミングで作らなければなりません。

市販では洗浄器と洗浄液のもとがセットになっているものや、お湯に溶かすだけで洗浄液のもとをつくることができる粉末タイプも販売されています。

まだ鼻うがいを行ったことがない方や、慣れていない方は、市販の洗浄液のもとを活用すると、スムーズに鼻うがいをすることができます。

鼻うがいに慣れていないと痛みや難しさを感じるかもしれませんが、慣れてくると鼻がスッキリし癖になる方も少なくありません。頻繁にやりすぎると、中耳炎などの疾患を引き起こす恐れもあるので、行う場合は1日2回程度にしましょう。

まとめ

副鼻腔炎の症状や原因などの基本情報、副鼻腔炎の治療法、鼻水が出ない時の対処法についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

副鼻腔炎は放っておくと、悪化し治りづらくなります。「早期発見早期治療」が完治させるためのキーポイントになるので、違和感を感じたら、早めに専門医に相談するようにしましょう。

中でも、鼻水が出ない主な原因である鼻づまりは、放置しているとさまざまな二次的な症状を引き起こすこともあります。ご紹介した、鼻カイロや鼻うがいなどの自宅でも簡単に取り組めるセルフケアを使い症状の緩和につとめましょう。

特に鼻うがいは、鼻通りを良くし鼻水を出すだけでなく、副鼻腔炎になる原因であるウイルスや細菌を洗い流し、風邪やアレルギー対策にも効果的です。

まずは医療機関を受診し、専門医が提案する治療法に加え、自身でケアを行い、副鼻腔炎の症状を緩和させましょう。

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