鼻うがいは蓄膿症に効果的!つらい症状を改善する正しいやり方を紹介
風邪をこじらせてしまったのか、鼻詰まりが治らず出てくる鼻水はドロドロして黄色い、ニオイがする…。こんな方はもしかしたら風邪ではなく、蓄膿症かもしれません。
蓄膿症は毎年1,000万~1,500万人の方がかかると言われている病気で、症状が長引くと生活にまで支障が出てしまいます。
もちろん病院にかかることも大切ですが、それと同時に正しいセルフケアで自宅でも対策を行うことが非常に重要になってきます。
本記事では、もしかしたら自分は蓄膿症かもしれないという方、すでに蓄膿症と診断されたけれど自宅でもできるセルフケアを知りたいという方のために、蓄膿症の症状と原因、自宅で簡単に蓄膿症の症状を改善する鼻うがいのやり方を紹介します。
蓄膿症とは
蓄膿症とは正式には副鼻腔炎という名前で、鼻の骨の中に左右均等に全部で8カ所ある副鼻腔という空洞の中に膿がたまってしまい、鼻だけでなく顔全体や頭にまで不快な症状が起こる病気です。
蓄膿症は放っておくと慢性化しやすく、長期間の治療が必要になる場合があります。ひと月以内で治るものを急性副鼻腔炎、3ヶ月以上かかるものを慢性副鼻腔炎と呼びます。
慢性副鼻腔炎になると完全に治すことが難しくなる場合もあるので、早期発見が非常に大切です。
それではここからは、具体的な蓄膿症の症状と原因を紹介していきます。
蓄膿症の症状
蓄膿症は、年齢や性別に関係なく発症する誰もがなる可能性のある病気です。風邪やアレルギー性鼻炎と症状が似ているため、間違いやすいので注意が必要です。
まずは蓄膿症の症状にはどんなものがあるのかを紹介します。
鼻詰まり
蓄膿症は、鼻の中の炎症が長引くことで粘膜が腫れて鼻腔を塞いだり、鼻腔内に鼻水がたまることで鼻詰まりの症状が起こります。
症状がひどくなると鼻茸と言われるポリープができることがあり、鼻詰まりの他にもニオイを感じにくくなるので日常生活に支障が出ることもあります。
黄色い鼻水
炎症が副鼻腔まで達した蓄膿症の鼻水は、ネバネバした黄色い鼻水です。風邪やアレルギー性鼻炎の鼻水は透明でさらさらしているので、鼻水が黄色くなった場合には蓄膿症の可能性が出てきます。
しかし、黄色い鼻水以外に症状がなければただの鼻炎であることがほとんどなので、あまり心配しなくても大丈夫です。
口臭がキツイ
蓄膿症による口臭は、鼻腔の中に膿がたまって起こることが多く、自分でもニオイを感じることがあります。
このときの鼻水や膿は、魚や卵の腐ったようなニオイと表現されることもあるほど強いニオイを発しています。そのニオイが直接吐く息に混ざることで口臭になってしまうのです。
また、蓄膿症になると鼻詰まりが起きるので口呼吸になりやすく、口の中が乾燥することで雑菌が繁殖し、口臭が強くなることもあります。
頭痛や頭重
蓄膿症になってしまうと、頭痛や頭重が発生することがあります。その場合、副鼻腔内のどこに膿がたまっているかによって頭痛を感じる場所も違ってきます。
頭痛の他にも頭が重たい感じがする頭重感を伴う場合が多く、頭を下に下げたときに痛みを強く感じることがあります。
頭痛や頭重がある場合、頭がモヤモヤして思考力が落ちたり、疲れやすくなるので、勉強や仕事などの日常生活に支障が出ることもあります。
鼻以外にも歯や目の周りが痛む
鼻以外にも歯や目の周りが痛むという一見蓄膿症とは関係なさそうな症状も、実は蓄膿症が原因になっていることもあり、副鼻腔内にたまった膿が顔面を圧迫することで痛みを感じます。
ひどくなると、歯の周りにある歯根膜という部分にまで炎症が広がり、噛んだときに痛みを感じたり、歯の根から伝わった炎症で上顎の奥歯が痛くなったりします。
蓄膿症の原因
副鼻腔がなんらかのきっかけで炎症を起こしてしまい、そこにずっと膿がたまっている状態になる蓄膿症。
副鼻腔内の炎症が長引くことで病原体がさらに増え、炎症が治りにくくなるという悪循環になってしまうので、早いうちに病院に受診することが大切です。
では、鼻詰まりや口臭、頭痛といった不快な症状が出る蓄膿症の原因とは一体なんなのでしょうか?
風邪のウイルスによる炎症
蓄膿症は、風邪のウイルスが原因で起こることがよくあります。ウイルスに感染すると人間の体は抵抗力が低下します。
抵抗力が落ちているので、風邪のウイルスが簡単に鼻腔を通って副鼻腔内に侵入し、炎症を引き起こしてしまうのです。
アレルギーによる炎症
近年増加しているのが、花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルギーが原因となった蓄膿症です。アレルギーによって鼻の中に炎症が起き、鼻の奥の副鼻腔にまで広がってしまうことで蓄膿症になってしまいます。
アレルギーを持っている方は、鼻やその奥の粘膜がすでに腫れていることが多く、自然孔が閉塞しやすくなり、蓄膿症になりやすいのです。
カビの菌による炎症
細菌やカビが鼻腔内に入り込むことで炎症を起こし、その炎症が副鼻腔にまで進んでしまうことで、蓄膿症になることがあります。
体の抵抗力が落ちている方、高齢者、抗生剤を服用する病気の方、糖尿病の方などにみられることが多い原因です。
鼻中隔が極端に曲がっている
鼻の真ん中を通り、左右を分ける仕切りのような役割をしている鼻中隔が極端に曲がっていると蓄膿症の原因になることがあります。
極端に曲がっていることで片側の鼻が詰まるため口呼吸になり、鼻の中の通気性が悪くなることで菌が繁殖して炎症を起こし、蓄膿症を発症してしまうのです。
ストレス
ストレスによって免疫力が低下しているときも、蓄膿症にかかりやすくなります。再発しやすいのもストレスによる蓄膿症の特徴です。
蓄膿症の症状を改善する鼻うがいのやり方
蓄膿症の症状を改善するためには鼻水がたまったらこまめに出し切ることが必要です。しかし、鼻をかんでも細菌やウイルス、ドロっとした膿を出し切るのは難しいことです。
そこでセルフケアとしておすすめしたいのが、家で簡単にできて蓄膿症のつらい症状を改善してくれる鼻うがいです。
鼻うがいは、口でうがいをするのと同じように鼻の中を洗浄液で洗い流す方法で、鼻の中にたまった鼻水やホコリ、ウイルスなどを鼻の外に排出することができます。
鼻うがいの効果
鼻うがいは、通常のうがいでは洗い流すことのできない鼻の奥の上咽頭にたまっている鼻水やウイルスを洗い流すことができます。
具体的な鼻うがいの効果は下記の通りです。
鼻をすっきりさせる
鼻うがいをすると、鼻をかんでもなかなか出しにくかったドロっとした粘り気のある鼻水も外に出すことができるので、鼻の中がすっきりとして不快感を解消することができます。
ウイルス対策になる
鼻うがいは、普通に鼻をかんだだけでは出すことができないホコリやウイルスも洗い流すことができます。
風邪やインフルエンザなどのウイルスは、鼻の奥にある上咽頭に付着して炎症を起こします。鼻うがいは、上咽頭を洗い流すことのできるので、ウイルス対策になるのです。
蓄膿症の症状の改善
鼻うがいは蓄膿症で鼻詰まりが起こっている方の症状の改善に非常に役に立ちます。上咽頭までしっかりと洗い流すことで、粘り気のある鼻水を外に排出することができるので、蓄膿症になるのを防いだり、症状の改善に役立ちます。
鼻うがいの正しいやり方
鼻うがいは蓄膿症にお困りの方にとてもおすすめのセルフケアですが、正しいやり方で行わないと逆効果になってしまうことがあります。
慣れるまでは上手くできないかもしれませんが、慣れると鼻をかむよりすっきりするので鼻うがいを毎日の習慣にする方もいます。
鼻うがいは、市販の鼻うがい器具と洗浄液のもとを使うのが最もおすすめですが、自宅にあるものでも簡単に行うことができるので、ぜひ実践してほしいセルフケアです。
準備するもの
まずは鼻うがいを行う際に準備するものを紹介します。
- コップ
- 水1Lを一度沸かして食塩0.9gを溶かした生理食塩水
生理食塩水は、一度沸かして36~38度ほどの人肌くらいに冷めた状態にしてから鼻うがいに使用します。1度に使用する量は200~300ccくらいです。
生理食塩水は体液と同じ浸透圧なので、真水が鼻に入ったときに起こるツーンとした痛みを感じません。鼻うがいを行うときは、真水を使わないようにしましょう。
正しい鼻うがいのやり方
次は正しい鼻うがいのやり方を紹介します。慣れるまでは、濡れてもいいようにお風呂で行ってみましょう。体も温まるので鼻水が出やすくなります。
- 前かがみになり、顔を斜め方向に向ける
- 生理食塩水を入れたコップ鼻に近づける
- もう片方の鼻を指で押さえる
- あーと声を出しながら生理食塩水を片方の鼻に流し込む
- 流し込んだ生理食塩水を反対側の鼻から出す
- 反対側も同じように行う
- 最後に優しく鼻をかむ
ここで注意したいのは、鼻うがいの最中に唾や生理食塩水を飲み込まないことです。唾や生理食塩水を飲み込んでしまうと、耳管に水が入り、中耳炎になることがあります。
鼻うがいはやりすぎると鼻の粘膜を傷つけてしまうので逆効果になり、蓄膿症がかえって悪化する可能性があります。1日に朝晩の2回程度にしましょう。
生理食塩水を作るのが面倒な場合や、自分で作ることに不安を感じる方は、市販の鼻うがい器具と洗浄液を使うと手軽に安心して行うことができます。
まとめ
蓄膿症の症状と原因、自宅で簡単に蓄膿症の症状を改善する鼻うがいのやり方を紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?蓄膿症は放っておくと慢性化して長期の治療が必要になることもある厄介な病気です。
原因や症状はさまざまですが、大切なことは日常生活に支障が出る前に早めに病院を受診し、家でも鼻うがいでセルフケアを行うことです。蓄膿症の疑いのある方、すでに蓄膿症でお困りの方は、ぜひ本記事を参考に鼻うがいを行ってみてください。